留学スタート特集

2ヶ月目で気づいた大学や交換留学の魅力 in UCSD 【留学スタート特集】

名前: 小林直裕

学部:工学部

留学先:America, University of California, San Diego (UCSD)

留学期間:2018年10月から

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こんにちは!現在アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)に交換留学しています、東北大学 工学部 機械知能・航空工学科 機械医工学コース3年の小林直裕です。留学開始から2か月強が経ったところで、ありがいことにスタート特集を書く機会をいただきました。

今回は「留学先ぶっちゃけ」ではなく「スタート特集」ということなので、客観的な情報・生活や大学の紹介は少なめに、その分感じたこと考えたことを中心に書きました。これまでの生活を通じて伝えたいと思った3つのことを書いたので、楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。

UCSDの魅力・サンディエゴでの生活

UCSDは、アメリカ合衆国カリフォルニア州の最南端の都市、サンディエゴにあります。厳密にはダウンタウンから車で30分弱のラホヤという街にあります。この微妙な距離感から、「『UCL』(University of California La Jolla)と呼ぶべきだ!」と言っている友達もいます。日本の某夢の国と同じ感じです(笑)

サンディエゴはアメリカのfinest cityと呼ばれているそうですが、その名の通り、気候とビーチが最高です。年中空調無しでも快適に過ごせるほど気温が安定しいて、月に1回程度しか雨が降らず日々抜けるような青空を楽しめる気候は、他の皆さんが言う通りものすごく魅力的です。新歓時期は、ビーチに行って新歓イベントをしたりしています。この辺りもすごく気に入ったポイントです。そのほかにも、西海岸・メキシコ国境付近という土地柄、多国籍国家のアメリカの中でも特に色々な人が住んでいて、日本人がイメージする純アメリカンは少なく、かなりの人が移民のバックグランドを持っているかハーフ・クオーターです。その分みんな優しい。人種や国籍にとらわれず、内面を見て関わってくれます。

そんな素敵な街サンディエゴですが、物価の高さが頭を悩ませているポイントです。購買と学食が高い!昼ご飯を学食で食べるのに$6~$12(約700~1400円)使う生活は衝撃的ですよね。さらに東北大のミールプランの改悪版のようなDining Dollars があるせいで、すべて自炊というわけにもいかず、苦しんでいます(笑)。あとは空調。全く暑くないのに教室でエアコンを使うので、中でもジャケットを着ています。せっかく空調のいらない気候なのに…
英語もなかなか大変です。純ジャパニーズの自分にとって、ネイティブたちとともに授業を受け、生活するというのは決して楽なものではありません。日本からの留学生もみな英語力が高くて圧倒されています。2か月たっても何言ってるか、何書いてあるかさっぱりといった状況も多々あります。一方、試験時間内でエッセイを書く中間試験で平均を超えるなど、波乱万丈です。日本人はライティングに強いという通説は間違っていないのかもしれないですね。

UCSDのシンボルGeisel Library

3つのメッセージ

さて、ここからは2か月ほどの留学を通して学び、伝えたいと思ったこと3つを書いていきます。

1.SAPのススメ

これを読んでくれている皆さんは東北大生が多いかと思いますが、皆さんはSAP・FLなど短期留学のプログラムに参加したことがありますか?短期留学は「意味ある・意味ない」の意見が対立しがちですよね。両方を経験してみて思うのは、SAP・FLはすごく良いプログラムだということです。だから、少しでも気になっているなら、ぜひ参加してほしいと思っています。

語学力向上という意味では効果は薄いかもしれません。でも、長期留学と比べたときにSAP・FLの何が良いって、圧倒的に一日一日が濃い。2~5週間という短期間だからこそ、勉強にも遊びにも全力が出せます。交換留学では期間が長すぎて、さすがにそんなペースではやっていられません。短期間だからこその濃い毎日を体験してほしいんです。その濃い日々が生み出す充実度と思い出、たくさんの気づき、そして価値観の変化と視野の広がりは日本で過ごす長期休みでは得られません。

そして、交換留学を目指している人には、下準備としてもすごくいいと感じています。日本の1.5倍くらいの物価のサンディエゴですが、SAPで日本の倍くらいの物価のシドニーで生活した経験があったから、そこまで適応に苦しんでいないのかなと思います。(苦しいですが)あとは、異文化適応。海外で1か月生活するのとしないのでは、圧倒的に適応力が変わってくると思います。

英語圏に行けば「英語で生活できる」と自信になるし、特に英語圏でないところに行くと、「英語通じなくても生きていけるんだから英語が通じるとこなら余裕じゃん」となります。いきなり1年海外で生活する前に、クッションとしてはさんでおく。これが効いてくるんじゃないかなと思っています。実際、生活のいろいろな場面でSAP・FLでの成長が効いているなと実感しています。周りには初海外がアメリカの大学への正規留学という猛者もいますが、自分としては短期留学無しでの長期留学は想像できません(笑)

2.東北大って良い大学

最初の2か月で思ったこと、一番は「東北大学は良い大学」ということです。世界大学ランキングを見ると、どのランキングでもUCSDの方が上位に位置付けられていますが、ここに来てみて、個人的には東北大も負けず劣らずの良い大学だと思いました。

もちろん、UCSDは専攻や授業の豊富さ、初学者向けの授業に「研究を主とせず、講義を主に担当する教員」を起用して授業レベルの向上を図っている点、ダブルメジャーシステムやマイナーシステム…など、東北大も取り入れるべき強みを数多く持っています。もちろん、海洋生物学を中心に研究レベルも高いです。そして、突然キャンパス内に簡易遊園地を作ったり、DJを呼んで大規模なライブをやっちゃったり、寮のイベントで生バンドを呼んでカラオケをやっちゃったりと、さすがアメリカと言わざるを得ない部分もあります(笑)。

それでも、多くの学生にとって、日本の国公立大学の約12倍の学費を費やすほどの魅力があるのかといわれると疑問を感じました。コスパの面では日本の大学、特に東北大かなり良いぞというのが実感です。分野にもよりますが東北大の研究レベルも負けていませんし、授業の豊富さについても、カレントトピックス科目(2018年度から一部国際教養科目に名称変更)などで相当カバーできている気がします。留学生と勉強したいなら国際共修ゼミがあります。TGLプログラムもすごく魅力的です。工学部だったら創造工学研修なんかもユニークな科目ですよね。おそらく気づいていない良さってたくさんあるんです。良いところを見つければ見つけるほど大学生活を充実させられる気がしています。

余談ですが、国分町が徒歩圏内、新幹線の駅までキャンパスから地下鉄で10分弱って相当いい立地だなと気づきました(笑)。ただ、冬の青葉山徒歩通学の写真を見せると衝撃的な光景にみんな必ず驚きますが(笑)

3.学部留学・交換留学の魅力

「東北大学はすごくいい大学だと気づいた」と書いたものの、留学、特に学部で行く交換留学の魅力についても強く実感しています。「学部留学は意味がない」「理系なら院で行く方がいい」という意見は出発前にたくさん聞いてきました。

もちろんそれも一理あるのですが、個人的には「学部留学」の魅力は「早く・院より手軽に長期留学に行ける」ということに尽きるのではないかと思っています。博士課程に進まないなら、2年で終わりの大学院生活の中で留年なしで1年留学に行くというのは現実的ではありません。そして、ほかの経験者の方が言うように、日本にいるよりもたくさんの人に会い、異文化の中に身を置く経験によって価値観と視野が広がるというのは間違いのない事実だと実感しています。

例えば、院生として正規留学している人やの影響を受けて、自分も海外の大学院進学を目指す、学部卒で働いてから全く違う分野の院に進んで研究者を目指している人に会って、違う分野への転向を考える。こういったことは院に行ってからの留学では難しいですよね。だからこそ、「早く行く」というのはメリットが大きいと思うんです。また、学部よりも英語を使う機会の多い大学院に行く前に語学力を伸ばせる、というのも「学部留学」の魅力だと実感しています。

出会いについて話すと、「日本だけでも一日に会う人よりも一日に産まれる人の方が多いんだから日本でも全員になんて会えない。だから日本人だけで十分」という人もいるかもしれません。でも、母数は多い方がいいと思うんです。日本にあるラーメン屋をすべてまわるのは一生かけても無理ですが、だからといって外食はラーメン屋だけでいいとは思わないですよね。和食、中華、イタリアン…選択肢が多い方が食事が楽しい。それと似ていると思っています。

「交換留学」の一つの魅力としては、「語学学校に行くのではなく普通の大学で一般教養・専門の勉強をしながら語学力を伸ばせる」ということでしょうか。単に英語を学ぶよりも楽しいし効果的だと思います。そして「自分のHome University」を持ちながら海外で勉強するというのは、正規留学にはない交換留学の最大の魅力なのではないでしょうか。自分の大学のいいところ悪いところを見つけられる、自分の大学をプロモーションして新たな交換留学生を呼べる、2つの大学で人脈を築ける。この経験ができるということに、今ものすごくありがたみを感じています。実際留学前はさほど東北大学が好きではありませんでしたが、留学を通して東北大学を好きになりました。

いろいろ書きましたが、ここまでの経験を通して外に発信したいことをまとめると、「SAP/FLに参加してほしい」「東北大はすごく良い大学」「学部で行く交換留学はすごく魅力的」となります。
本当は日々の生活で見た・感じたいろんな驚きも書きたいところなのですが、かなりの長文になってしまったので諦めます。もし「留学先ぶっちゃけ」を書かせていただくことがあればまた詳しく書きたいと思います。また、UCSDについてはこれまでに行った先輩方の記事もあるので、ぜひ読んでみてください。ここまで読んでくれて、ありがとうございました!

寮から徒歩10分の海岸


併せてUCSDのぶっちゃけ記事を読みたい方はこちら

アメリカの大学についての記事一覧はこちら


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