留学先ぶっちゃけ

感性を豊かに!心ときめく童話のような街ストラスブールへの留学で得たもの

eye catch

Bonjour! 文学部、美学・西洋美術史研究室学部4年の工藤佳奈恵です。写真は私が授業を受けている大学宮殿という荘厳なキャンパスで、仲良しのクラスメイトとの一枚です!(背後は古本市)

これまでの10ヶ月を振り返り、フランスやストラスブールの魅力、フランスならではの授業や余暇の過ごし方、留学を通して得たものについてお伝えします!フランス留学を考えている方、第二外国語を使って留学したい方には特に、みなさんに役立てていただけたらなと思います。五感すべてを存分に使ってフランス文化にどっぷり浸かった様子を、少しでも感じていただければ嬉しいです!

 

留学者プロフィール

名前:工藤 佳奈恵(くどう かなえ)

学部学年(留学当時):文学部3年

留学先:フランス・ストラスブール大学(University of Strasbourg)

留学期間:2018年9月から1年間

 

1.ストラスブールって?

ストラスブールの魅力

フランスといえば、パリ!のイメージかもしれませんが、フランスには魅力的な地方都市がたくさんあります。フランスの東の端っこ、ドイツとの国境沿いにあるストラスブールもその一つです。

世界史を勉強した人なら、「アルザス・ロレーヌ」という地方を聞いたことがあるのではないでしょうか?そう、この地方は、その豊かな地下資源によって、ドイツとフランスの間で領土が何度も揺れ動いた複雑な歴史を持つ地方です。ストラスブールはアルザス地方の最も大きな都市です。その歴史ゆえ、欧州議会所や欧州人権裁判所などEUの主要機関が置かれていたり、ドイツ文化の影響が色濃く残っていたりします。

例えば、南ドイツのような木組みの可愛らしい家々や…

ストラスブールの街並み

 

 

 

 

 

 

フランス最大規模のクリスマスマーケット、

ストラスブールのクリスマス

看板のアルザス語表記(アルザス語とは、この地方独特の方言で、ほぼドイツ語に近いです)

アルザス語

↑上がフランス語、下がアルザス語で「虹の通り」

 

すぐそこがライン川なので、なんと路面電車でドイツのケールという街にも行けます!

トラム

(日用品はドイツの方が安いので、定期的にケールに買い物に行きます)

 

大きすぎず小さすぎず、自然豊かな素朴で可愛らしい街です。トラムも走っていますが、自転車があればたいていの所には行けますし、美しい景色も楽しめます。ストラスブールは平地であるためフランスで最も自転車が普及している街でもあり、ほぼすべての道路に自転車用ルートも整備されています。レンタサイクルを長期で借りることもできますし、中古で安く手に入れることもできるため、ストラスブールに住むのなら自転車の購入をおすすめします!私も毎日サイクリング気分で気持ちよく通学しています。

サイクリング

 

なぜストラスブール?

留学をしたいと思った一番のきっかけは、今まで本や図版でしか見られなかった芸術作品を自分の目で見てみたかったからです。また、美術館にある作品だけでなく、大聖堂や教会、ちょっとした看板など、街に息づく美術にも触れたかったからです。入学前海外研修やSAPなどの短期留学に参加したことで、海外生活の練習になり、長期留学に挑戦しやすくなったというのもあります。

その中でもなぜ、フランス・ストラスブールを選んだかというと、

  1. フランス美術を研究したかった
  2. フランス語を学びたかった
  3. 物価が安く、学生都市である
  4. ストラスブールの可愛らしさに本能的に惹かれた

というのが主な理由です。

4がキメ手と言っても過言ではないです!

 

せっかく海外に1年間暮らせるのですから、自分が好きな街、住んでみたい街に住むのがおすすめです。モチベーションにもなりますし、悩んだり落ち込んだりしたときも、「自分がずっと来たかったところだから」と励みになります。

 

2.日常生活

☆最初に注意事項です!!

基本的にすべての授業はフランス語で行われます。

ストラスブール大学への留学には、交換留学応募時点でフランス語B1レベルが必要です。

(ただし、英語の授業も開講されているビジネススクールや経済学部、法学部などで英語の授業のみ取る場合は不要)

学部生の場合、留学前にB1を取得するというのは少し大変ですが、TCFという試験であればDELFよりもやりやすいと思います。

 

美術史とフランス語

専門である美術史の授業は、「美術館形成の歴史」や「美術に現れるモンスター」など、時代もテーマも日本より幅広く、興味深かったです。画像をスライドで見せてくれるとはいえ、先生のフランス語を聞き取り、授業内容を完全に理解するのは最初は難しく、授業をスマホの録音アプリに録音したり、フランス人の友達(最初の写真のオレンジコートの爽やかな女の子)にノートを借りたりしていました。

大学宮殿

大学宮殿と呼ばれるこのキャンパスでは、歴史や美術史、哲学、そして神学の学部があります。政教分離であるフランスで神学を学べるのは、ここストラスブールとメッスだけだそうです。キャンパスのホールでは、実技の美術の学生が作品を制作していたり、たまに古本市があったり、キャンパスの地下には小さな美術館があったり…ときどきクラシックコンサートも行われます!

簡単にヨーロッパ各地に行けるので、授業で扱われた作品をすぐに直接見に行くことができ、どんどん興味や知識が広がっていきました。

 

↑公園のようにゆったりできるヨーロッパの美術館。注意書きには、わくわくするアイデアが。「やってはいけないこと」だけではなく「できること」が書いてある。「休む」「散歩する」「話し合う」「夢見る」など、自由がいっぱいの場所!

 

フランス語の授業は、プレゼンやディベートがあるとき以外は基本的に自由に時間を使ってよく、フランス語で友達とボードゲームをしたり、お互いの文化について話したりしました。語学学校のようなかっちりとした授業よりも、この自由なスタイルが私にとっては合っていたなと思います。クラスメイトと友達になって仲良くなると、相手のことを知りたい、自分のことを伝えたいという気持ちに自然となります。そうした気持ちが、フランス語を勉強する上で大きなモチベーションになりました。

私は日本で会話の練習をあまりしてこなかったため、やはりはじめは大変でした。まず、語彙の少なさが原因で会話が聞き取れなかったため、毎日その日にした会話をすべて思い出して、分からない単語や知らなかった表現を徹底的に調べてノートに書いていました。そうすることで、次にその言葉を使うことになったときに、その状況と一緒に単語や表現を思い出すことができ、会話がスムーズになっていきました。

ノート

 

その他にもこんなことをしていました。

・トラムの中やカフェで聞き耳を立てる 

・タンデム(言語交換)パートナーやフランス人の友人と遊ぶ

・寮の共用キッチンに毎日行って、友達と話す

・読書会に参加し、フランスの哲学書の原文を講読

・現地のラジオ、テレビに触れる

・興味のある分野の講演会に行く

などなど、どんな瞬間もつながります。フランス語とフランス文化を一緒に吸収する日々でした。

 

ベストフレンド

↑タンデムパートナーであり親友。バカンスに日本に遊びにきます!

 

特にラジオは、日本から持ってきてよかったものベストです!!(どうやら日本のワイドFMラジオがヨーロッパの周波数にも対応しているようです。)もちろん今の時代ネットでラジオが聴けてしまいますが、私は魔女の宅急便のキキ気分になれるこのラジオが好きです。聞き流すだけでもフランス語のリズムが掴めるようになりますし、何よりローカルラジオ局の住民インタビューに癒やされたり、コンサートやイベント情報も入手できたりする代物です。それに、他の国や旅行する際にも持っていくと、その国の音楽や言葉のリズムを味わえます。

ラジオ

また、フランスに集まる留学生はやはり英語よりもフランス語を使いたいという人が圧倒的に多いので、留学生同士で会話していても勉強になり、お互いに刺激になります。

現地の言葉を学ぶことは、その国の文化を深く理解したり、現地の人と仲良くなったりするために大切なことです。私は英語の考え方だけではなく、フランス語の考え方にも触れたいと思いました。語学には近道はなく、地道な積み重ねが必要ですが、その言語の文化に親しみながら楽しく学ぶことを一番大切にしました。

 

余暇の過ごし方

私の留学生活を何より豊かにさせたもの、それは余暇の時間です。ビビッとくるもの、心ときめくものに導かれて、どんどん素敵な世界が広がっていくようでした。何をしていたかというと、

・お散歩

地図を持たずに気の向くまま歩くと、毎日新しい発見があります

美しい看板に見とれたり、街行く人のファッションを観察したり、ちょっとした素敵なアイデアに巡り会えたり

・古い映画を再上映している小さな映画館で映画鑑賞

映画

まるで劇場のようなスクリーン。映画上映後にディベートをやることも!

・街の本屋さんでの講演会

美術史の憧れの先生の講演会にも駆けつけました笑

・カフェやギャラリーのイベントに参加

写真の展示に囲まれながら音楽の演奏と詩の朗読を聴いたり…

朗読会

カフェでの詩の朗読会

 

・公園で読書したり編み物

素敵な手芸屋さんや小間物屋さんに行くと思わず編みたくなります

・「職人の日」に工房見学

毎年4月にヨーロッパ各地で、職人による伝統工芸のイベントが開かれます。私はストラスブールで、古い本の修復する職人さんや、陶器を作るアーティストさんのアトリエを訪ねて、作業の様子を直接お見せしてもらったり、お話を聞いたりしてきました。

アトリエ

↑様々なジャンルのアーティストさんが一緒に活動するアトリエ

 

これらのことを、無料もしくは低価格で、知識の程度にかかわらず、様々な年代や分野の人が参加できるのです。芸術に対する敷居が低く、文化が深く根付き、それを惜しみなく提供してくれます。私たちの頭の中は、日常で見たものや感じたもの、つまり「記憶」で形成されています。授業や勉強というかたちにとらわれず、自分の興味に従って行動することで、それも自分の研究に大いに影響しました。また、たとえ自分の専門分野と関わりがなさそうに見えても、参加することで意外なつながりを見出せることもあります。すべてのものはつながっています。

生活と学問に境目はないのだなあと、改めて気付かされました。幅広く吸収することが、研究をより深いものにするのだと思います。

 

3.留学してよかったこと

 

①感性が刺激される

日本には日本特有の美しさがあるように、ヨーロッパ、フランスにも特有の美しさがあります。建物や看板、花や植木、お家のインテリアまで、細かいところもよく見て、フランスの日常に息づく美しいものに触れられたのは大きな財産です。思わず自分も真似したくなる生活のアイデアもたくさん散りばめられています。

 

②かたちや方法にとらわれず知識を得たり、ものを考えたりすることができる

主に先ほどの「余暇の過ごし方」で言及したことです。

 

③好きなことをやっていると、素敵な人たちや必要な情報が自ずと周りに集まってくる

はじめは友達を作ろうと必死でしたが、友達は作ろうとしてできるものではなく、自然といつの間にかできるものなのだなあと改めて思いました。好きなことを夢中でやっていると、まるで自分がアンテナを張っているかのように、人や情報が集まってきます。特に同じ美術史を勉強している先輩や、様々な分野のアーティストの方と知り合うことができ、たくさんの刺激をもらいました。

 

4. 最後に

留学中の日々は、毎日が特別で豊かなものです。何かに追われている状況や慌ただしい日々から離れた自由な時間の中で、ある意味直感に従って生活することで、自分の人生における喜び、本当にやりたいことをもう一度じっくり見つめ直すことができるのではないかと思います。留学だからといって気負わず、心の栄養補給のつもりで、「わくわくすること」を基準に自分の好きなことを思いっきり味わってみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。一緒に頑張って参りましょう!

白鳥

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